石川さん不当逮捕45カ年糾弾! 5・23狭山統一行動を成功させよう!

(2008年05月18日)

 
この権力犯罪を許さない!

 この権力犯罪を許さない! 石川さんを連行する刑事たち
(1963.5.23未明)

5・23狭山統一行動のために
  2008年5月23日
  部落解放同盟全国連合会中央本部

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【1】5・23は狭山闘争の原点
 いまから45年前の1963年5月23日は、石川一雄さんのたたかいが始まった日です。このときから今日までの45年間、石川一雄さんは一日も休むことなく「俺は殺していない」と訴え、石川一雄さんにぬれぎぬを着せた警察・検察、裁判所を糾弾してたたかいつづけています。

「誘拐・殺人犯」の汚名を晴らすこと、裁判で無罪の判決をかちとること、これをめざして私たちは石川一雄さんとともに狭山差別裁判糾弾闘争をたたかっています。<なにがなんでも狭山再審をかちとる>この決意を、もう一度、あらためて今日の集会でうち固めたい、これが5・23狭山統一行動にこめた全国連の気持ちです。

 そのために、まず、狭山闘争はどのようなたたかいなのかということを簡単に振り返ってみたいと思います。
 狭山差別裁判とは、国の権力者による史上類例のない部落差別犯罪です。狭山事件の捜査失敗によって追いつめられた警察は、部落から犯人をでっちあげるという方針をたて、石川一雄さんをその生け贄にしたのです。警察は、拷問、脅迫、証拠の偽造など、あらゆる卑劣な手段を使って石川一雄さんに身に覚えのない「誘拐・殺人」の罪をなすりつけるとともに、裁判所までがぐるになって部落差別をあおりました。私たちは、部落のきょうだいにたいする、この耐え難い仕打ちを絶対に許すことはできません。
 しかし、石川一雄さんは、この差別の仕打ちを打ち破って「俺は殺していない」という叫びをあげ、徹底糾弾のたたかいに立ち上がりました。そして、これを聞いた全国の部落大衆が「石川命=わが命」を合い言葉にして、「差別とたたかわないと人間として生きていけない」という自覚に燃えて差別糾弾のたたかいに立ち上がったのです。そして、この石川一雄さんの叫びは労働者階級をも揺り動かして、部落差別を撤廃し、社会を根本から変える人間解放の大きな砦を打ち立ててきました。まさに、狭山差別裁判こそ部落差別の原点であり、狭山闘争こそ部落解放運動の原点です。

【2】狭山再審をかちとろう!
 狭山闘争の決着点は、裁判をやり直させ、石川一雄さんの無実を裁判所に認めさせること、<無罪の判決をかちとること>いがいにはありません。
 無実だからこそ無罪というのは当たり前ですが、この裁判は、国の権力者が総ぐるみでやった部落差別犯罪を糾弾し、それに正義の制裁を加えるという大変なたたかいです。それゆえに、本部派のように途中で日和ってしまい、いいかげんなところでお茶を濁そうというような人々もいますが、私たちは石川一雄さんとともに、どこまでも<再審>と無罪をつらぬきます。たんなる捜査や裁判の間違いではなく、石川一雄さんの無実のなかには、<部落差別は認めない>ということと、<私たち部落民の人間としての尊厳>がかかっているのです。
 全国水平社は、差別した人に謝らせるために、警察ややくざ、軍隊までがでてきて妨害しても、部落大衆が力をあわせてその妨害を打ち砕いて、糾弾をつらぬきました。これこそが差別糾弾の魂です。そして、このたたかいの魂こそが、差別が当たり前というような世の中をひっくり返して部落解放運動の大きな流れをつくってきたのです。

 いま、狭山事件の再審を担当しているのは、東京高等裁判所の門野裁判長です。極悪の裁判官です。3年前に名古屋地裁で、「名張毒ぶどう酒事件」という裁判の再審が決まりました。確定判決で認定された毒薬と、実際に使われた毒薬とがまったく違うものだったという決定的な新証拠が発見されたのです。ところが、当時、名古屋高裁にいた門野が、それを強引に取り消したのです。門野は、これを「手柄」に東京高裁に栄転、狭山事件の再審請求を棄却するために狭山の担当に抜擢されたのです。
 実際に、門野裁判長に代わってから、全国連の要請行動にたいする東京高裁の態度が一変しました。裁判所は、要請行動にたいして「20名、30分」の枠を強制し、まだ話をしている最中でも「30分になりました」と席を立っていく、答弁を求めてもいっさい答えないという有様です。まるで聞く耳をもたないという態度です。
 しかし、このような高圧的な態度は、動揺のあらわれです。ちょっとでも事実調べをしたら、たちまちデッチあげが暴露され、石川一雄さんの無実が満天下に明らかになってしまうということを百も承知しているからこそ、このようなかたくなな態度をとっているのです。私たちは、門野などに負けるわけにはいきません。私たちのたたかいによって門野をぶっ飛ばして、再審の門をこじあけようではありませんか。
 <証拠開示>を求めるたたかいこそ、その最大の切り口です。検察が隠し持っている証拠のなかには、石川一雄さんの無実と警察によるデッチあげを暴き出す新証拠がたくさんあります。狭山現地にも、差別捜査によって苦しめられた生き証人とも言える部落大衆の体験と怒りが埋もれています。これを全国連の手で掘り起こし、隠された真実を明らかにするのです。

【3】10・26中央闘争に向け、国家権力にたいする大衆的な糾弾闘争を地域からつくりあげよう!
 そのためには、<裁判所、検察にたいするたたかい>(要請行動)が重要な柱となります。あらためて、全国の同盟員の力を結集して、この要請行動の恒常的な体制を作り上げていこうではありませんか。
 しかし、狭山再審のたたかいは、要請行動とともに、部落大衆や労働者が生活する地域や街頭、職場において怒りを掘り起こし、それをひとつの力にしていくことこそ、もっとも重要な柱です。要請行動は、これを土台とし、この力と一体となって国家権力に直接迫る力となります。

 奈良では、一昨年いらいの部落解放運動つぶしの反動のなかでいったんはつぶされた「狭山集団登校」を、全国連の仲間たちが先頭になって地域の子どもたちや保護者との徹底的な話し合いを通して、昨年の10月に見事に復活させました。子どもと保護者、防衛のために集まった全国連の仲間や地域の人々、教育労働者が黄色のゼッケンと荊冠旗で、狭山のシュプレヒコールをあげながらデモで登校、全校集会を貫徹したのです。
 「集団登校」というような「華々しい」たたかいでなくても、日常的なビラまき、署名運動、集会などの地道な地域での活動をうねりのように作り上げ、狭山差別裁判糾弾の大衆的な意志を盛り上げ、<再審を行え>という声を全国的な大きな声にしていこうではありませんか。全国連中央本部は、本年の5・23統一行動に際して、このことを、あらためてすべての同盟員のみなさんに心から訴えたいと思います。
 そして、きたる10月26日、10・31東京高裁・寺尾判決から34年目にあたるこの日、全国から首都・東京に結集して、東京高裁を包囲、糾弾する狭山中央闘争をたたかいとろうではありませんか。

【4】サミット反対・福田内閣打倒へ、全世界の労働者階級・人民と連帯してたたかおう!
 いまひとつ訴えたいことがあります。それは、改憲と労働者・人民からの徹底的な収奪を推し進める福田政権を打倒するために、労働者階級・人民とともにたたかいにたちあがろうということです。
 すでにご承知のように、7月に「洞爺湖サミット」(先進国首脳会議)が開かれます。サミットは、帝国主義の強盗どもの首脳(親分)たちが集まって、世界の分割支配をたくらみ、その分け前を奪い合う場です。とくにこんかいのサミットは、イラク侵略戦争の泥沼化のなかで、この戦争をイランや、北朝鮮、さらには中国にまで拡大していくことを意図して行われるものです。メインテ-マとされている「テロ対策」「大量破壊兵器の不拡散」とは、全世界に戦争を拡大し、資源と富を軍事力によって独占しようとする帝国主義者の言葉に他なりません。
 そして、そのために、2万人の警察官を動員、自衛隊までが「テロ対策作戦出動態勢」と称して配備されると言われています。神戸、大阪や京都も環境相、財相会議や外相会議の会場となることから、まさに日本全国が戒厳体制下におかれようとしているのです。
 昨年のドイツ(ハイリゲンダム)・サミットでは、ドイツの労働者を先頭にした全世界人民の激しい抗議闘争がたたきつけられました。この洞爺湖サミットにたいしても全世界の労働者の怒りの声が集中し、この粉砕が全世界人民の合い言葉となっています。

 いまや、帝国主義はアメリカを先頭に、「サブプライム・ロ-ン問題」を焦点にした金融破綻にあえいでいます。このつけを全世界にまきちらし、全世界を戦争と貧困にたたきこもうとするサミットは、世界の労働者・人民の怒りの的となるのはあまりに当然です。サミットは、全世界の労働者・人民がひとつになって帝国主義による世界の支配を打ち倒すたたかいの場なのです。
 いまこそ、福田政権に止めをさすときが来ています。いったい、どこまで私たちから搾り取ったら気が済むのか。後期高齢者医療制度の実施やガソリン税復活などは序の口、消費税の大幅増税などの「税制改革」こそが福田政権のねらいです。しかも、その裏で、自民党は4月に<派兵恒久法制定>に向けてのプロジェクトチ-ムの初会合を開き、今国会での法案提出をもくろんでいます。まさに、<改憲(戦争)と生活破壊>、これこそが福田政権の本性に他なりません。
 全国連は、サミット反対・福田政権打倒へ、全世界の労働者・人民とともにたたかいぬきたいと思います。7月5日北海道現地闘争にも合流したいと思います。そして、8・6広島を当面する福田政権打倒のたたかいの最大の結集軸として全力をあげて取り組もう!

【5】革共同による狭山闘争破壊策動を絶対に許さない
 革共同は、5・23狭山闘争に分裂を持ち込みました。「東日本解放共闘」を詐称して、「5・23狭山集会」と当日の要請行動を行なうと発表しています。
 「東日本解放共闘」は、茨城県連や長野県連をはじめ全国連を一方の主軸としてつくられ運営されてきた組織です。ところが、茨城県連や長野県連には何の相談もなく、勝手に「解放共闘」を名乗って、全国連の5・23狭山統一行動への部落大衆や労働者・人民の結集を妨害するために分裂行動をよびかけているのです。全国連はこのような分裂行動を断じて認めません。
 彼らは広島差別事件を開き直るだけでなく、全国連による正義の糾弾からのがれるために全国連に分裂を持ち込み、ついには狭山闘争にまで分裂を持ち込もうとしています。いまや、革共同の差別者集団としての本性が完全に明らかになりました。
 6・1中四国での真相報告集会(支える会結成集会)を成功させ、革共同にたいする糾弾闘争の陣形を圧倒的につくりあげよう!あらゆる妨害をはねのけ、10・26狭山中央闘争の爆発をかちとろう!

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