門野裁判長の「証拠開示命令」(偽造通貨行使事件で)のマヤカシを許さない

(2008年02月01日)

   昨年11月、門野裁判長は「偽造通貨行使事件」で、取り調べ中の警部補が作成したメモについて、東京高検に対し、開示命令をだしました(12月に最高裁で確定)。しかし、こんなペテン、差別を断じて許しません。
 これまで裁判所は、「開示の対象は検察手持ちの証拠に限る」としていたため、検察が持っているかどうか定かでない「取り調べメモ」の開示命令を出したことは異例です。  このため、報道などでは、新刑訴法のもとでの「公判前整理手続き」「期日間整理手続き」による、証拠開示の規定が明白になった画期的な判例としてだと評価されています。
 しかし、裁判所や検察は、この新制度を逆手にとって、無実の人の運命を好き勝手にもてあそぼうとしているのです。
 今回の要請行動でも、「狭山事件も同様に扱われるのか」との問いに対し、裁判所は「答える義務はない」といい、検察は、「狭山事件は新刑訴法以前の再審事件だから適用されない」と言い切っています。
 石川さんやわたしたちが、狭山再審闘争で、何十年も訴えている証拠リスト、取り調べ時の『脅迫状』書き写し練習メモをはじめとした狭山事件の証拠開示命令の要請に、門野裁判長はいまだに黙り込んだままではありませんか。
 さらに検察は、わたしたちの要請行動の翌日、この事件で、「指摘されたメモについて、警視庁に照会したがないということなので、開示できない」と門前払いをしたのです(1月23日)。
 また、門野決定のあとも、12月20日には、静岡地裁で開かれている強盗殺人事件の公判前整理手続きで、裁判長の感情的な訴訟指揮で証拠調べ請求が不当に打ち切られています。
 この裁判長は、公判の早期開始を強行するために、整理手続きのさなか、突然「公判前整理手続きは失敗だ」
 〈公判前整理手続き〉における証拠開示について このかんの動き
 ●偽造通貨行使事件で、被告の男性が自白は取り調べで強要されたものと訴え。取り調べ警部補のメモを開示請求。

●東京地裁が開示請求棄却。弁護団が抗告。

●2007/11 偽造通貨行使事件で、東京高裁・門野裁判長が開示を命令。検察が特別抗告。

(2007/12/20 静岡地裁。強盗殺人事件の公判前整理手続きで、裁判長が突然、証拠調べ請求を不当に打ち切る)

●2007/12/25 最高裁が検察の抗告を棄却。開示命令が確定。

●2008/1/22 高検「狭山事件は新刑訴法以前の再審事件。今回の最高裁判例は適用されない」(全国連の要請行動で)

●2008/1/23 検察「警視庁に照会したがメモはないと。開示できない」と開示命令に拒否回答。
「もう、この手続きはやめる」などと漏らし、検察官、弁護人のほか左右陪席の裁判官も残して退席したというのです。要請行動に対する裁判所の態度とまったく同じではありませんか。
 門野裁判長は、名古屋高裁にいたときには、名張毒ぶどう酒事件で、「自らが極刑となることが予想される重大犯罪について進んで自白をするとは考えられない」といって、再審決定をひっくりかえし、無実の叫びをあげる人を再び死刑台に送ろうとした極悪の裁判官です。
 石川さんは、「自らが極刑となることが予想される重大犯罪について進んで自白」などしたというのでしょうか! 断じて否です。
石川さんの「自白」デッチあげは、警察権力による差別犯罪、権力犯罪の結果です。それこそ、取調べ時のメモを開示すべきではないですか。
 狭山事件の未開示証拠のひとつも開示しない門野裁判長に対し、開示命令も事実調べも出せないなら、裁判官をやめろ!の声をあげ、第3次再審闘争に総決起していきましょう。
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