門野打倒! 事実調べ・証拠開示へ要請行動

(2008年01月22日)

  検察庁への要請に決起(1月22日)  東京高裁の第1次再審請求棄却28カ年を前にした1月22日、全国連のきょうだいと共闘は、東京高裁、高検への渾身の要請行動に決起しました。

 東京高裁の第1次再審請求棄却28カ年を前にした1月22日、全国連のきょうだいと共闘は、東京高裁、高検への渾身の要請行動に決起しました。
 高裁では、このかんの要請行動に対して、時間がきたからと一方的に要請を打ち切って席を立つ横暴な姿勢をただしました。
 高裁は、「ここは要請文を受理する場。時間は30分と平成12年の高裁決定できまっている。他の団体もそうしていただいている」とひらきなおりました。さらに以下のようなやりとりに。

■要請団 話の途中でいきなり席をたつなど、誠実に対応しているといえるのか。 直接第4刑事部にいって要請しろというのか。

▼高裁 そういう形はとれません。要請はわたしたち訟廷管理部でうけることになっている。第4刑事部は当事者の主張と出された証拠から審理します。
 みなさんだけを特別あつかいできない。公平に対応する。

■要請団 差別裁判をしておいて、なにが公平か!

■要請団 昨年12月に偽造通貨行使事件の裁判で門野裁判長が取り調べメモの開示命令をだしたが、狭山事件で開示命令をださないなど、断じて許すことはできない。これこそ門野の差別裁判だ。
 そのうえで、この決定が最高裁で確定した。最高裁決定として今後の判例になるが、裁判全体にどういう影響をおよぼすのか。再審事件にも影響するのか? 門野裁判長の考えをきいてほしい。

▼高裁 裁判官は回答しません。要請への回答はしないことになっている。

 要請団は、このふざけた回答を糾弾し、さらに、石川一雄さんの受けた差別犯罪をわがものとしてひとりひとりが思いを述べ、途中退席など許さず、わたしたちの要請をやりきり、検察庁にむかいました。
 検察では次のようなやりとりになりました。

新刑訴法での証拠開示制度のマヤカシをあばく

■要請団 偽造通貨行使事件での最高裁の開示命令決定が今後の開示制度におよぼす影響について、検察としてどう認識しているのか?

▼検察 刑訴法がかわって開示の拡大になったことは事実。そのうえで今回の最高裁決定をみて、検察としてどう対応していくか検討している段階です。
 ただ僕個人としての考えですが(小六法をひらきながら)、316条の27という文があります。ここには証拠の標目(リスト)の提示命令という規定が書いてある。被告が標目(リスト)の開示を求めたのに、検察が出さないときに、裁判所は提示命令を出すことができる、とあります。
 ただし、その開示された標目は、当事者以外には見せてはならないというものです。これが刑訴法での証拠開示についての基本的な考えだと思います。このへんは昨年6月に弁護団と裁判長が面談したときにもお話したことです。

■要請団 しかし、実際には今回も検察は抗告している。開示命令
に抵抗しているではないか。

▼検察 (今回の場合)モノ(メモ)じたいも、どんなモノかも明白になっていないので。

■要請団 しかし、最高裁決定は判例として定着していくものだという認識はあるのではないのか。

▼検察 それは検察も認識しています。僕自身の考えですが、刑訴法の方針はそうでています。ただそのへんは弁護団とやりとりしているので、この場で回答できるのか、むつかしいと思います。

■要請団 今後、開示請求はふえると思うが

▼検察 たしかに今回の決定を経て、いろんな弁護団からどんどん開示請求が出てくると思います。

■要請団 再審もふくめて、開示の拡充になっていくと思うか?

▼検察 再審は含まないと思います。(狭山事件は)刑訴法改定前の事件なので。たしかに開示についても拡大しているので、影響はすると思いますが。

▼検察 あと、さきほども証拠隠しといわれたが。プラスの証拠、マイナスの証拠、いろいろあるが、検察は、誠心誠意をもって、必要であれば開示するといっていますので。

■要請団 なにが誠心誠意か。狭山事件では、ルミノール反応検査報告書から20年たっても、なにも開示していないではないか。

▼検察 たしかに開示請求は今回で15次、再審請求も3次です。これは請求された証拠が、新規性、明白性というものに照らしてどうなのかと判断された結果だと思います。

■要請団 しかし、布川事件ではないといっていながら、欠番になっていた証拠が実際にはあった。検察はウソをいっていたではないか。
 証拠がちゃんと管理されているのかどうかも、リストが開示されなければわからないではないか。
▼検察 そのてんは弁護団ともやりとりしています。

■要請団 狭山裁判は裁判として異常だ。半年で死刑。江戸時代の奉行所か。検察は自己批判の態度をもってあたるべきだ。

▼検察 これまでのみなさんの要請文にも部落差別が原因だといわれている。検事もそれは読んでいるので。そういう要請であることは認識しています。

広島差別事件徹底糾弾

 要請行動に先立って弁護士会館でおこなわれた集会では、全国連狭山闘争本部・小森事務局長が基調報告にたち、 「12月に弁護団が門野裁判長と面談し、新証拠を提出したいと伝えたようだ。しかし、これまでも裁判所は新証拠の提出をまつこともなく決定を出してきた。門野裁判長がいつ決定を出してもおかしくない。解同本部派は、取り調べの可視化法案でデッチあげを防ごうという運動に狭山闘争をゆがめている。狭山闘争は、あくまでも権力による差別犯罪をはっきりさせ、部落差別を糾弾するたたかい。全国連はあくまで差別糾弾闘争としてたたかおう」と提起。
 さらに、昨年夏以来、革共同によってひきおこされている差別暴言事件(部落解放新聞に詳細)について、 「共闘からの差別暴言に非常に残念な思い。事実確認会に出席もせず、あれは差別ではないと内外にひとり歩きさせるなど断じて許されない」と弾劾しました。
 全国連本部からは楠木事務局長が「第3次再審決戦の今年の幕明けに各地のきょうだいが多く決起していただき心強い。このかん、解同本部派の飛鳥会事件などを口実に、解放運動と差別糾弾闘争が悪であるかのように言われている。全国連はあくまで差別糾弾闘争を貫く。なにより、狭山第3次再審決戦に総決起しよう。さらに、糾弾闘争がこの世から消し去られてしまうのかどうかのかかった事件が広島でおきた。1930年代、水平社は、侵略戦争情勢のもとで、高松差別裁判糾弾闘争をはじめ、全国で何百万という部落のきょうだい、労働者の決起をきりひらいた。ところが、当時の共産党は糾弾闘争は階級闘争を後退させるとして、水平社の解散を指導した。この部落解放運動における痛苦の歴史を繰り返すのか。全国連は断じて許さない。階級闘争に決起した部落青年がふみにじられた。家族や全国連のきょうだいの支えがなければ彼女はどうなっていたか。この事件は小さなことではない。こういうところから歴史はかわる。2月24日、関西で真相報告集会を開催します。先日の拡中委で討議決定した糾弾要綱を全国で学習し、糾弾闘争にたちあがろう」と全国連の渾身の決起を宣言しました。

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