第1次再審棄却27ヵ年糾弾 再審要請行動に決起

(2007年02月07日)

 

   狭山第1次再審棄却決定から27ヵ年の2月7日、全国連と解放共闘は、怒りも新たに東京高裁と東京高検への再審要請行動に決起しました。
 要請に先立ち、茨城の壮年、婦人をはじめとした関東のきょうだい、広島からかけつけた青年部の学生や動労千葉をはじめとした解放共闘が、弁護士会館で集会をもちました。

東京高検との主なやりとり

▽要請団 また、検事が交代。ひきつぎはちゃんとできるのか?
▼山口係長 この件に限らず、事件の中身の濃さに応じて出ていく検事は資料を用意し、口頭でもひきつぐようにしている。
▽要請団 前回、狭山の樋口支部長が事件当時に警察にとられた記録を開示請求できるかきいたら、できないとのことだった。その理由をきいてくるように要請したが回答は?
▼山口係長 これは高崎検事に確認したところ、刑訴法47条に開示規定があり検察はそれにそって判断すると。誤解されがちなのは、一般的な情報公開請求と刑事法上の開示請求はちがうということ。あくまで刑訴法の手続きのなかで、個々の事案に応じて検事が必要と判断すれば開示されるということでした。
▽要請団 実際には証拠非開示方針だ。国連で指摘されて国会では「そんなことはない、開示している」などと言っているが、矛盾しているではないか。
▼山口係長 それも伝えます。
▽要請団 実際、石川さんが開示請求しても開示されていないではないか。
▼山口係長 みなさん、開示拒否というが、確か一昨年の夏にも筆跡鑑定書を開示している。弁護団がカメラマンときて2時間ほど撮影して帰っている。まったく開示していないというのは誤解だと思います。
▽要請団 まだまだ未開示の証拠はあるではないか。そもそも証拠リストも開示しないで、開示しているなどと言えるのか。きょう求めた未開示証拠2点の開示について、高崎検事の判断と理由を次回、回答してほしい。

 全国連本部からは「この第3次再審闘争の最大のたたかいは、未開示の証拠を開示させること。これまで小名木証言など開示されることで、石川さんの無実がいっそう明らかになっている。しかし、裁判所はこれらを1度も事実調べしていない。検察にはまだ多くの証拠がかくされたまま。そのリストも開示しない。これらをひきずりだして、事実調べをしなければ進まないような状況に追い込まなくてはならない」と証拠開示の重要性を提起。
 さらに、「しかし、これはたんにお願いをして実現できるものではない。わたしたちは、差別裁判を許さないんだという部落差別糾弾のたたかいで、裁判所をおいつめ開示命令をひきずりだそう」と訴えました。
 また、こんにちふきあれる部落解放運動圧殺の攻撃にたいして、解同本部派の屈服をのりこえてその足下からも、住宅家賃や村内の福祉施設の存廃、自治体現業部門の民営化などをめぐって、部落大衆の決起がはじまっていることを明らかにし、今こそ差別糾弾闘争の大きな広がりをつくりだすことを提起しました。
 各支部、団体からも決意がのべられ、日比谷公園から高裁を糾弾するデモにうってでました。
 午後からの要請では、①警察が筆跡を集めるためにとった120人分といわれるアリバイ上申書のほとんどが、菅原4丁目と柏原の2つの部落のものであることを示す厚いメモ ②石川さん逮捕の決め手とされた筆跡にかんする「県警鑑識課の中間報告書」 ...の2点について、高裁は検察に開示命令をだすこと、検察はただちに開示することを強く要請しました。
 いずれも捜査過程そのものに部落差別があったのかなかったのかを明らかにする重要な証拠です。
 要請団は「部落差別がなければ石川さんは逮捕されなかったんだ。そもそも警察の捜査段階から差別によってすべてが進められてきたのではないのか。その真相を明らかにするためにこれらの証拠は開示される必要がある」とせまりました。 広島の青年は「あなたが石川さんだったらどうするのか。差別によって逮捕され死刑判決までだされた。無実の人の青春を奪っていいのか! 人間として答えてほしい」と管理官を糾弾しました。
 猪浦管理官は小声で「ここは要請をうけるだけで、わたしの考えをのべる場ではない」と、不正義の姿をさらけだしました。
 検察へも2点の未開示証拠の開示をせまりました(要旨は上に掲載)。
 矢野検事の転勤により、昨年末に高崎検事が狭山担当となったことが明らかになりました。2点の証拠開示について、高崎検事のコメントを強く求め、要請行動を終えました。

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