全国連の時代 差別徹底糾弾を貫き勝利しよう

(2007年01月10日)

 

2007年 全国連はいかにたたかうか

部落解放同盟全国連合会 書記長・中田 潔

部落解放運動つぶしの激化、全国連しかない時代の到来!

 2007年をむかえて痛切に感じることは、部落解放運動をめぐる情勢が、2006年から2007年にかけて非常に激しい変化の時代をむかえたということです。

 

憲法改悪を全国連の三大闘争で阻もう
狭山闘争を柱に部落差別と闘おう

 ここで、最後的に部落解放運動が淘汰されていく時代になるとおもいます。この時代に正しくたたかえる運動だけがのこり、そうでないものは消え去っていくということです。
 一昨年から去年と、解同本部派の利権的腐敗を口実にしたマスコミや行政、警察が一体となった解放運動つぶしが激しさをましました。それは、たんに運動団体をつぶそうというだけでなく、部落民全体への差別をあおるような攻撃としてかけられています。そのもとで、「同和事業」だけにとどまらず、「同和行政」という考え方の一掃というところにまでエスカレートしています。
 これまでの攻撃とはレベルも質もちがいます。これまでのような運動団体のまちがいをあれやこれや取り上げて批判するようなあり方ではありません。いまや、「同和事業そのものが間違いであった」「同和行政そのものが間違いであった」と、部落問題についての行政責任とか、社会的責任を全部否定し、すべて部落民の側に責任を転嫁してきています。
石川一雄さんは無実だ! 東京高裁包囲デモにたつ全国連
(5・21全国連の狭山中央闘争で)
 このときに、解同本部派は奈良で「活動停止」あるいは「支部解散」、京都府連も市内11支部で3月まで「活動停止」と、自らの運動に「謹慎処分」をかけたような状態です。本部派大阪府連も、「一般の有識者の提言をうけて組織の点検・改革」などといっています。もはや解同本部派では差別のことを問題にすることもできません。差別をされても、モノもいえないという状態です。
 本部派においては「差別は許さない」とか、「国や行政機関にしっかりと差別解消の責任をはたさせていくように追及する」という、部落解放運動がとるべき立場が崩れはじめています。
 2007年には、この流れは「運動の自粛」から、やがて「部落解放同盟の解散」、完全な融和運動団体への転落へと、ますます強まっていくことはあきらかです。

全国連がどうたたかうのか? すべての人々が注目している

 また、いまの攻撃は決して解同本部派だけにとどまるものではありません。全国連にとっても決して対岸の火ではないのです。
 国や行政の攻撃は、部落解放運動そのものを認めないということです。部落民の生活と権利をかかげてたたかう運動であれ、個人であれ、ひとりのこらず否定してしまうのが今の攻撃です。
 すでに、公務員で家賃値上げ反対闘争を継続している人たちを「滞納者」呼ばわりして、マスコミのキャンペーンのマトにさせる攻撃がはじまっています。また、保育料値上げにたいしてたたかっている部落出身の公務員労働者にたいしても、「滞納者」呼ばわりがはじまっています。
 このように、解同本部派の利権・腐敗に端を発した部落解放運動への本格的破壊攻撃は、いよいよもっとも戦闘的で原則的にたたかっている全国連にねらいを定めてきました。この情勢にひとり仁王立ちしようとする全国連の運動にたいする攻撃が、これからより先鋭化してきます。
 このとき、全国連はどういう態度をとるのか、どういうたたかいいを貫くのか、全国連の同盟員、部落大衆はもちろんのこと、多くの民主団体、労働組合も注目しています。
 なぜなら、同和行政は、政府の構造改革攻撃、つまり財政改革をかかげた医療や福祉、教育の切り捨てをおさえる役割をはたしてきました。もし今の攻撃のもと、「同和行政」という考え方そのものが全面的に否定されれば、全体のレベルで切り捨てがいっそう加速化されていくからです。
 たとえば、京都や奈良での「職員の不祥事」をとらえて「部落の雇用対策」「優先雇用が間違いだった」との発言です。ここでは、「現業部門の全面的な民営化」というところに攻撃の本質があります。
 清掃をはじめ現業部門の行政による直営を堅持させてきたのは、同和対策の優先雇用で採用をかちとってきたこと、現業労働者のおおくが部落民労働者でしめられていることが、単純に民営化に移行させない条件をつくってきました。「同和対策で採用した人の首をきるのか」「今後の雇用対策をどうするのか」という問題が、行政にとってさけて通れない課題だからです。行政は、現業部門から部落解放運動の影響力を跡形もなく排除することでしか、構造改革ー民営化・首切りが強行できないのです。
 同和対策攻撃とは、たんに部落解放運動にたいする攻撃にとどまりません。それは、構造改革攻撃の一環であり、決して部落の人たちだけの問題ではないのです。いまおこっている事態のひとつひとつが改憲にむけた地ならしです。部落解放運動の一掃と融和運動化、その一連の攻撃が改憲にむけた地ならしなのです。

部落差別は絶対に許さない! 原則的な闘いを貫いていこう

改憲阻止へ労働者とともにたたかう(11月5日)
 ですから、全国連は、部落大衆の生活と権利をしっかりと守っていくたたかいにたちあがっていきます。それは差別徹底糾弾のたたかいです。そして、全国連の差別糾弾闘争を基軸とした三大闘争のたたかいのひとつひとつが、改憲攻撃に仁王立ちするものとなります。
 解同本部派がふがいなくなった今、全国連のたたかいに多くの部落のきょうだいたちが注目しています。また、一緒にたたかいたいと思っています。全国連は、このきょうだいたちと結びつき、三大闘争の全面的発展をかちとります。
 具体的には、全国連は教育基本法の改悪攻撃をはじめとした政治反動とたたかっていきます。家賃値上げ反対闘争においても、最高裁判決の中味が強行されはじめています。大阪・八尾市は、西郡のきょうだいにたいして、供託者の給料の差し押さえ攻撃をかけてきました。八尾を反動的突破口として反動の流れを一気に拡大されてはなりません。全国連は西郡のきょうだいとともに総力をあげてたちあがり、うちやぶりましょう。
 ここでも、きわめて原則的で原点的なたたかいが求められています。全国連の旗の下に団結をうち固め、狭山第3次再審闘争を柱に差別糾弾闘争を軸とした三大闘争をしっかりと貫いてたたかうことが勝利の道です。

4月八尾、9月東大阪選挙戦で絶対勝利を!

 さらに、今年は選挙の年です。春の統一地方選挙では、八尾市議選で西郡支部から組織内候補をたててたたかいます。秋には東大阪市議選・さかぐち克己の再選のたたかいです。全国連は絶対に勝たなければなりません。この2つの選挙と、本部が推薦する全推薦候補の必勝のためにたたかいましょう。
 今年の選挙は、昨年12月の安倍政権による改悪・教育基本法の強行採決、共謀罪の策動、国民投票法案など、反動的な政治攻撃にたいする労働者民衆の大きな反撃の場です。消費税の税率アップもねらわれ、安倍政権は、弱者に具体的に犠牲を強いる介護保険制度、「障害者」自立支援法、医療制度の改悪…数えればきりがないほど悪いことをしています。この安倍政権にたいし、労働者人民のきっぱりとした審判をくだしてやりましょう。そういう選挙です。
 このように単純に、組織内候補、推薦候補が勝たなければならないということではありません。勝利の意味が大きく問われる選挙です。組織建設の課題もここにかかっています。全力をだしきり、勝利しましょう。
 そのためにも3月、第16回全国大会の成功をかちとりましょう。
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