改憲、差別攻撃をうちやぶる3大闘争の具体的実践を

(2006年09月10日)

  -9月拡大中央委員会へむけて- 部落解放同盟全国連合会書記長 中田 潔

アンケートにあらわれた生活実態と格闘(7・22婦人部大会)
解放運動の原則にかえり実践の発展をかちとる


 5・21狭山中央闘争から各支部・県連大会の成功、そして夏の婦人部大会、全国青年交流集会をたたかってきました。
 このなかで、婦人部大会でも、全青交でも、そのなかみにおいて共通の成功をかちとりました。それは、「部落差別とはなにか?」のとらえかえしができたことです。部落差別を糾弾する部落解放運動としてのあたりまえの原点を、あらためてはっきりさせたことです。  全国大会の過程で「部落差別についての意識調査」をとりくんできました。そこで、部落大衆の思いや要求を聞き、「何が部落差別なのか?」「差別があるのか、ないのか?」と、解放運動の原則的とらえ返しをおこなってきました。 全国連は、そもそも部落解放運動とはなにかについて第2回大会であきらかにしてきました。「部落民を政治的、経済的、社会的、イデオロギー的にがんじがらめにする身分的差別。そのあらゆるあらわれにたいし徹底糾弾闘争」を訴えてきました。「意識調査」をとおして、このたたかいをより実践的に具体的に豊かにふくらませてきました。 今回の婦人部大会の組織化の過程では、とくに茨城の婦人の苦闘の問題を中心テーマにすえて、「部落解放運動とは何なのか?」ということを浮き彫りにさせることができました。全青交でも、部落青年のおかれている現実、「そのどこに差別があるのか?」という問題意識からとらえかえして、論議がかみ合っているところはいい成果がでているのではないかと思います。まさに、全国連ならではの解放運動のスタイルが確立できてきたのではないかと思います。


住宅闘争の発展


 さらに、住宅家賃値上げ反対のたたかいにたいし、去年から今年にかけて最高裁の反動判決がつづいています。これにたいし、たたかう部落大衆は団結を崩さず、家賃値上げ反対闘争の成果を守りぬいています。行政の脅し、脅迫に屈していません。 一方では、家賃値上げ反対闘争という村のなかで意識ある人のたたかいが、もう一回りおおきい村全体のたたかいへと発展しうる情勢をきりひらいてきました。供託闘争の成果を堅持しつつ、住宅組合など団結したたかう住民の側からの攻勢的な家賃分納闘争、すなわち「払える家賃しか払わない」「払える家賃を受け取れ」と行政に迫っていくたたかいが位置づきはじめています。これも解放運動、要求闘争の基本的な考え方にたつものです。


差別徹底糾弾をたたかおう(5・21狭山中央闘争)
部落解放運動の絶滅キャンペーン許すな


 家賃値上げ攻撃に象徴される同和対策事業の全面廃止は、単に事業の改廃ではなく、部落解放運動の絶滅=部落解放運動そのものを解体するものです。そういう情勢にはいっています。同時にこのもとで、全国連の三大闘争がこの攻撃を打ち破っていく唯一のたたかい方であることが一層明らかになっていきます。 大阪市では、芦原病院の問題からはじまり、解同本部派の利権的腐敗を利用するかたちで、同和事業だけではなく同和行政の全面的否定まできています。また、八尾の例では、保育所の民営化に反対して役所にデモをかけたことで「脅迫にあたると逮捕」という報道もあります。大衆的抗議行動で罪になるというデタラメなことが言われています。 京都市では職員の不祥事の続発にからみ、市長が「同和対策での職員の優先雇用が悪かった」と言い放つなど、部落の仕事保障要求そのものが否定されています。とうてい容認できない、「同和行政」の否定、部落解放運動からの行政の全面撤退、責任の放棄がおこっています。これまで、行政が既成解放運動を利用することで部落大衆の声を抑えるという仕組みがありました。いま、行政の側からそれをくつがえし、行政が直接押さえつけるかたちに変わってきています。そのなかで部落差別があおられています。 小泉政治のもとで部落大衆の生活の困窮化と、解同による村支配も崩壊、そして弱肉強食のいまの世の中のなかに部落大衆が放り込まれていく状況がおこっています。 そういうなかで、行政への怒り、差別への怒りが充満し、また一方で既成解放運動にたいする絶望、あきらめが部落全体を覆いはじめています。それは、全国連の三大闘争こそが、より求められる時代です。 これまでやってきた意識調査活動をさらに拡大しましょう。そして、大衆の怒りと結びついて、それぞれの地域の課題をしっかりととらえ、、大衆の怒りと行動とが一致できるような行動方針をたてていきましょう。

差別徹底糾弾を


 10・31狭山闘争を中心とした狭山第3次再審闘争に総決起しましょう。また、各地で継続している差別糾弾のたたかいを貫きましょう。そして、小泉、安倍らによる戦争体制づくり、先にふれた同和行政の絶滅のうごきのなかで不可避となっている極悪の部落差別にたいし徹底糾弾をたたかいましょう。


改憲許すな! 街宣にたつ寝屋川支部(9月10日)
教基法改悪、改憲を絶対に阻止しよう!


 安倍晋三が次の総理大臣の最有力候補といわれています。安倍は改憲と教育基本法の改悪を政権公約に掲げました。臨時国会では教育基本法、共謀罪、国民投票法案など継続審議になったものが決戦化します。政治決戦として、これらと全面対決していかなければなりません。憲法、教育基本法にかんしては、部落解放運動の立場からも絶対に譲れないたたかいです。部落解放運動みずからの主体的たたかいとして、しっかりとたたかいぬきましょう。 百万人署名による「改憲反対全国キャラバン」がはじまりました。全力でとりくみましょう。


要求闘争の発展を


 住宅闘争では、最高裁判決から来年までにたたかいのもう一山があると思います。ここが勝負です。最高裁決定にかかわらず、家賃値上げ反対闘争では、これまで供託をたたかい続けている人たちの団結を軸にしながら、さまざまな住宅にかかわる要求をそのまわりに組織していくたたかいが求められています。 10月には、介護保険の見直し、医療制度の改悪をむかえます。切り捨てられる人はたくさん出てきます。これらにたいし、具体的に反撃しなければなりません。医療・介護の全般にたいするとりくみを組織しましょう。


各地にたたかう全国連の建設を


 番町支部の結成大会に向けたたたかいがすすんでいます。全国で新たな支部をうちたてましょう。青年の組織化に全力をあげましょう。 以上の方向性のもと、全国連としての具体的方針、各地における実践の具体的課題について、9月17日~18日の拡大中央委員会で徹底論議し、決定しましょう。

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