今秋 狭山・改憲阻止決戦へ!

(2006年09月20日)

 

青年を先頭に狭山第3次再審勝利・教育基本法改悪阻止をかかげてたたかおう! (写真=5・21狭山中央闘争)
格差・差別・戦争が「美しい国」か!

 8日告示された自民党総裁選で、改憲と教育改革を真正面にかかげる安倍晋三が20日に選出されました。安倍がその選挙公約として7月に出した本=「美しい国へ」で書いていることは絶対に許すことはできません。

 安倍は特攻で死んだ兵士を「胸に迫ってくる」と絶賛し、「ときにはそれ(命)をなげうっても守るべき価値が存在するのだ、ということを考えたことがあるだろうか」と、若者に特攻隊員のような価値観を持てとせまっているのです。安倍のいう「美しい国」とは、誰もが国家と天皇のために喜んで命をなげうつような国のことなのです。
 さらに「教育の再生」という章では、教育改革(=教育基本法の改悪)を叫び、全国学力テスト、教員免許の更新制、学校評価制度、ボランティア活動の導入をうちだしています。
 要するに、子どもと学校を学力でふるいわけ、1パーセントのエリート以外には、「国家のために汗水流せ、命をささげよ」という教育を徹底し、ボランティア活動と称して戦時中の勤労学徒動員を復活させようというのです。
 そういう指導や教育をできない教師は教員免許をとりあげて、学校からたたきだすというのです。絶対許すことはできません。
 安倍と自民党はその政権を発足させて26日から始まる臨時国会で改憲4法案(教育基本法改悪案、共謀罪新設、国民投票法案、防衛省格上げ法案)をとおそうとしています。
 小泉政権下でこれら4法案を継続審議においこんだたたかいにつづぎ、アジア人民、労働者とともに、さらなる総決起で廃案にたたきこみましょう。

教基法改悪阻止! 臨時国会決戦へ

 教育基本法の改悪は、部落差別を極限的に強めるものです。
 資本家の総本山・日本経団連は、05年の「これからの教育の方向性に関する提言」で、「戦後から…学校教育の現場では…郷土や国を誇りに思う気持ち(愛国心)を自然に育んでこなかった」「こうした状況を放置したままでは…21世紀の国際競争を勝ち抜けない」と、教育基本法の下での民主教育を憎しみをもって攻撃しています。
 教育基本法改悪は、資本家階級のための国づくりに忠実な労働者を育てることなのです。
 資本家階級が95年に「常用雇用は1割、残り9割は非正規雇用に叩き落す」という方針をだし、リストラ攻撃をおしすすめ、現在、労働者の3人に1人(1600万人以上)がパート、アルバイト、派遣社員といった非正規雇用にされまました。
 これにより、もともと非正規雇用が大半の部落の労働者は、正職への道をとざされ、失業、給料カット、さらに過酷な仕事へとおいやられています。日本の若者の半分(部落青年は半分どころではない)は、一生働いて正規雇用の場合の4分の1の賃金というフリーターをせざるをなくなっています。
 そして、こうした非正規雇用につかざるをえない9割以上の青少年が文句もいわず「お国のために」働く労働者になるように、教育基本法を改悪しようとしているのです。教育基本法の改悪と労働者の非正規雇用化は表裏一体の攻撃なのです。
 子どもたちに愛国心教育と能力競争、選別・差別教育をおしつけ、「能力なきもの」には9年の義務教育すら保障しないというのです。
 すでに各地で通学区域の「自由化」が強行され、学校や校区のランク分けが実質的にはじまっています。
 広島市では学区自由化によって福島町の子どもが通う中学校の入学者が32人も減っています(05年)。きょうだいは、「このままでは村の子どもの団結の場である中学校が廃校にされる」と、市役所への抗議行動や、署名・アンケートにたちあがりました。

今の青年にせまる石川さんの生い立ち

 「競争と差別こそ自然の摂理」「文句をいわずにお国のために汗水流して働け」「戦争で命をなげうってくれたら靖国神社にまつってやる」…これが安倍のいう「美しい国」の真の姿です。この化けの皮をはぎ、たたかう労働者とともに、部落大衆の総決起で安倍政治粉砕にたちあがりましょう!
 狭山闘争をたたかうわたしたちこそ、狭山差別裁判徹底糾弾の黄色いゼッケンと荊冠旗で、改憲4法案粉砕へ断固登場しなければなりません。
 石川さんが不当逮捕された43年前のような、露骨で激しい部落差別が、安倍政治の登場によって目の前にせまっています。石川さんは裁判で自らの生い立ちをつぎのように語っています。
 「PTA会費など金の徴収の日も休みました。学校で、画用紙や手紙を買ってくるようにといった次の日は必ず休みました。また、ノートも1冊ももっていませんでした」
 「小学校6年間で登校日より休んだ日が多かったのです。しかし、一度も家庭訪問を受けたことがありません」
 「部落外の子どもたちから違った目で見られ、侮辱的な言葉をあびせられたのは、小学校に入学と同時でした。よごれた着物を着ている私たちに対して『きたない』と言っては、一方的に殴りかかってくるのでした」…。これは昔の話ではなくなってきています。
 兵庫県では、今年3月に生活保護受給世帯が5万4千458世帯、8万249人に達しました。連動して、小中学生に学用品や給食代などを支給する就学援助も、少子化にかかわらず、4年前の1・5倍と急増。
 尼崎市では05年度、児童・生徒のほぼ3人に1人が受給していることになる。大震災の影響が残る神戸市も6年連続で受給率が上がっており、05年度は24・6㌫となっている。
 「給食費が払えない」家庭が全国で激増しているのです。

教基法改悪阻止!「日の丸・君が代」処分撤回!教育労働者を先頭に東京都庁包囲闘争に全国連も決起 (8月30日)

労働者との共同闘争で改憲4法案廃案へ

 生活苦と差別、戦争しか生み出すことのできない政治などぶったおしてやりましょう!
 狭山闘争こそは、教育労働者と部落の児童・生徒・保護者が差別の現実とむきあい、ともに部落差別のクサビをうち砕くなかで築きあげてきた共同闘争の砦です。
 その息吹はふたたび燃え上がろうとしています。教育労働者は、「日の丸・君が代」強制に対して、職と人生をかけて不起立闘争、処分粉砕闘争にたちあがっています。狭山を知らない若い教員もこのたたかいにふれるなかで、狭山闘争にも接近してきています。
 各地の教育研究集会で改憲反対署名と狭山署名の訴えに多くの若手教員が耳を傾け、ともにたちあがっています。
 改憲反対署名と狭山署名を広げ、300万部落大衆、6000万労働者の怒りをまきおこそう! 狭山第3次再審闘争の成否もここでできる力関係に左右されます。
 改憲4法案廃案! 差別と戦争の「美しい国」づくり粉砕へ、今秋国会決戦、10・31狭山闘争-11・5労働者集会へ総決起しよう!

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