狭山第3次再審勝利へ要請行動

(2006年07月13日)

 
4年半ぶりの東京高裁要請行動で第3次へ仕切り直し
 7月13日、全国連と解放共闘は、第3次再審請求を審理する東京高裁と証拠を保管する東京高検への狭山再審要請行動にたちあがりました。

 全国連と解放共闘としては、5月23日の石川一雄さんの第3次再審請求いらい初、東京高裁へは2002年1月の高橋裁判長による第2次再審異議審棄却決定への抗議申し入れいらいの要請です。
 中四、関西、関東各地から、「石川一雄さんの不屈のたたかいと連帯して、わたしたちの手で差別犯罪をあばき糾弾する第3次再審闘争をつくっていくんだ」という決意も新たに、全国連、解放共闘の仲間が弁護士会館に集まりました。
 集会では全国連本部が「わたしたちの側から、無実・差別の原点にかえって、あらためて仕切り直すたたかいとして要請行動をたたかおう」、「わたしたちのたたかいで狭山再審はかならず実現できる。無実の石川一雄さんを犯人にでっちあげた国家権力の差別犯罪は、まだほとんど明らかにされていない。裁かれていない。証拠も検察によって隠されたままだ。この差別犯罪を法廷の場にひきずりだし、徹底的に糾弾する第3次再審闘争にたちあがろう」、「狭山第3次再審闘争を、憲法改悪を阻止するたたかいの一翼として決起しよう」と提起しました。
 各支部から狭山第3次再審への決意、支部大会報告や全婦、8・6ヒロシマなどへのアピールがのべられました。
 東日本解放共闘の山川事務局長は「テポドン報道で北朝鮮への排外主義があおられている。改憲阻止へたたかおう。国労5・27弾圧公判は労働刑事裁判としてたたかっている。狭山は部落差別刑事裁判にしなければならない。その1日目のたたかいとして要請にのぞもう」と意気込みを語りました。
 動労千葉からは「今春48時間ストにつづき今も全線区で10キロダウンの安全運転闘争をたたかっている。これに対しJRは運行管理権侵害と処分をおこなってきた。安全を処分するとはなんだ。怒りをもって要請行動もたたかう」と決意がのべられました。
 法政大解放研の学生からは、「学内での改憲阻止闘争への弾圧で僕は3か月で3回も逮捕された。当局は校門に格闘技が得意なガードマン6人もたてている。僕が入ろうとするとパックしてくる。これをゆるさず、断固門前ビラまきなど抗議してたたかっている」と、権力への怒りにみちた報告がありました。

事実調べをおこなえ!

 集会後、昼休みの官庁街を差別裁判糾弾のシュプレヒコールをとどろかせるデモにたちあがりました。
 東京高裁では、猪浦訟廷管理官らが対応。要請団は、これまでまったく事実調べがおこなわれていない不当性を糾弾し、第3次でこそ事実調べと証拠開示勧告を行うよう、文書と口頭で要請しました。
 また、要請文や要請内容はどのようにして仙波裁判長に伝えられるのか問いました。

東京高裁(右後方)を糾弾し昼休みの官庁街をデモ
 管理官は「要請文は書記官に届ける」「裁判官がいつでもみられるように保管する」「主任書記官は出席しない」と、99年高木決定後の要請行動の対応にかんする高裁決定をふりかざしました。また、主任書記官の名前すら「答えられない」と回答してきました。
 また、「わたしたちの要請を正確に理解するために管理官じしん狭山事件の勉強をしてのぞむべき」との要請に「わたしたちが勉強したかどうかは、お答えすることはできません。あくまで、要請を受けるためにきている。ただ、(勉強していると)前提にして要請してもらってけっこうです」と回答しました。
 また第2次再審段階での要請行動の際、要請団が持ち込みおいて帰った「死体運搬」実験人形について、所在を確認することを約束させました。

矢野検事が対応

 東京高検では、第3次再審請求直後の5月末に狭山担当検事に着任した矢野元博検事が出席しました。
 要請団はひきつぎ状況や今後の要請対応についてただしました。矢野検事は「ひきつぎに必要なことはしている。ただ、1ページから最後のページまでぜんぶあたったのかといえば、まだこれからですが」と回答。今後の出席については「そのつど、担当者の都合などで検討したい」と回答してきました。
 また、これまでも要請してきた、①証拠開示 ②1審差別論告…の2点について、意見を求めたところ、「証拠開示するのかどうか、開示しない理由などはこたえられない。私の職権上、要請内容に答えることはできない」と回答しました。

1審上告棄却29ヵ年糾弾!

 8月9日、最高裁の1審上告棄却(8月16日・異議申し立て棄却=無期懲役確定)から29ヵ年を糾弾し、夏~秋の狭山第3次再審闘争を改憲阻止の一大決戦のなかでたたかっていきましょう。

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