はるさんのズンドコ節 ~第15回全婦より~

(2006年07月22日)

 
歌詞カード1枚ごとに1枚の絵で「はるさん」の生い立ちが表現される
 7月22日、全国連の第15回婦人部大会が栃木県鬼怒川温泉で開催されました。夜の交流会で、地元茨城県連の婦人部は、茨城の婦人が差別のなかで生き抜き、解放運動と出会い、狭山闘争へと決起していった人生を、「はるさんのズンドコ節」と題して演じました。歌手・氷川きよしの「きよしのズンドコ節」のカラオケに替え歌をのせ、各場面の絵が走馬燈のようにめくられていきました。その前で行商姿の「はるさん」の踊りも。参加者ひとりひとりの人生とも重なる生い立ちに、会場は笑いと涙まじりの拍手喝采でこたえました。
1 ねんねこ半天 女の子  学校行かずに 子守して
  親の手伝い しているよ  昔はどこにも いたもんだ

2 朝も早よから 母ちゃんは  野菜と米を 背にしょって
  東京へ商売に 行くんだよ  あとの仕事は たのんだぞ

3 弟寝かせて お勝手へ  釜を洗ってそうじして
  洗濯物を 干したなら  やっと表へ 出られるよ

4 きくちゃん オメエは草取りか  はるちゃん オメエは守っ子か
  父ちゃん母ちゃん 日よとりで  よその畑で クワを持つ

5 子どもを 学校に行かせろと  教育委員が 家に来た
  父ちゃん 困った顔してた  畑の草取り だれがやる

6 弟おぶって 学校へ  廊下の窓から のぞいたら
  授業がどんどん 進んでた  ついていけるか 心配だ



若手の婦人もマイクをにぎり「はるさん」の物語を歌っていく。行商姿の「はるさん」は、踊りの明るさで、たくましさを表現しているかのようだ。
7 ノートに鉛筆、教科書も  机の上には ないけれど
  しばらくぶりの 教室で  耳をすまして 聞いていた

8 そのとき 弟泣き出した  オシメがぬれてる むりもない
  「外に出なさい」と 先生の  声が冷たく ひびいたよ

9 義務教育とは いいながら  学校に行けない 子どもたち
  大人になっても 読み書きが  できるわけなど ありゃしない

10 50年後の はるさんは  子どもにまじって 字を習う
  自分の思いを 書きつづり  話してきかせる こともある

11 同じ生い立ちの 人がいる  石川一雄さんと いうんだよ
  犯人逃がした 警察に  罪をきせられ 捕らわれた

12 そのとき 村中の青年の  筆跡調べた 刑事たち
  石川さん家にも 上がりこみ  むりやり書かせた 上申書

13 犯人が残した 脅迫状  あて字 くずし字 使ってて
  石川さんが 書く字とは  似ても似つかぬ 文字だった

14 夜も寝かせず 取り調べ  「吐かなきゃ 大黒柱の
   兄ちゃんに縄をかけるぞ」と  おどして「自白」をさせたんだ

15 6年の途中で 家はなれ  子守奉公に 行ったから
  悪人になると きめつけて  「死刑にしろ」と検察官

16 無実の証拠を 切りすてて  無期懲役にした 裁判長
  自由を奪われ 牢獄に  32年も つながれた

熱演にひきこまれ、目を潤ませる人も。笑いと涙をさそう演技と物語に拍手喝采がまきおこりました。
17 これじゃあ 私ら全員が  犯人にされたと 同じこと
  狭山差別の 裁判を  やり直させなきゃ いけないよ

18 初めて行った 裁判所  書記官の態度に 腹が立ち
  自分の体験 元にして  書いてみたんだ 要請文

19 あんパン50個 米5升  うどんは8キロ 買えるのに
  書き方知らない 万年筆  持ってるはずが あるもんか

20 最高裁で 読み上げた  涙があふれて 出てきたよ
  石川一雄さんの くやしさは  私にだって よくわかる

21 突然 テレビに石川さん  またもや 門前払いだと
  こんな差別は 許せない  「悪逆非道」は 裁判長

22 事実を調べぬ 裁判所  証拠隠しの 検察庁
  権力犯罪 あばき出し  かならず 無実を晴らすんだ

23 ついに始まった 第3次  再審闘争に たちあがろう
  狭山のきょうだい 先頭に  高裁と高検に おしかけよう   オー!

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