同盟員をスパイにしようとする奈良県警を徹底弾劾する!

(2006年02月10日)

   全国連同盟員(奈良・古市支部、Aさん)からの告発によって、奈良県警のスパイ育成を企む行為が明らかになった。じつに数年がかりで、全国連の特定の活動家をつけねらい、家族や友人の取り込みをもねらい、最終的にはこの活動家を警察のスパイに仕立てようとする、卑劣な、驚くべき手口である。断じて許すことはできない。全国連は、ここに、その卑劣な手口の全貌を明らかにするとともに、同盟員をスパイに仕立てて全国連の解体を企む奈良県警を徹底糾弾するものである。

数年がかりの特別体制で接近する
 Aさんの告発によると、警察の動きが最初に発覚したのはAさんへの母親からの報告だった。3年前ごろから、奈良県警の公安だと名乗る警察官が母親に接近、「A君は、○○の集会に行ったのか」「仕事はどうしている」などを世間話を装って聞いてきた。こういうことが、中央行動や政治闘争、大会などの重要な取り組みのたびに何度にもわたってくり返されたという。これは、母親の「なんでそんなことをあんたに言わなければいけないのか」という断固たる反撃によってそれいじょうできなくなった。
 ところが、これから1年後、この公安の刑事は、こんどは、Aさんの友人の前に現れるようになる。このときに現れたのは、母親に接近していたのとは別の刑事で、その友人がAさんに語ったところによると、「私は、前任から引き継いだA担当だ」と露骨に名乗ったという。そして、Aさんの動静を執拗に聞いたが、このときに、「Aの家にある○○はAが買ったものか」なども聞いてきたという。つまり、公安は、Aさんをつけねらうための特別の体制(チーム)をつくって、担当者の引き継ぎまで行われていたということだ。そして、この体制で、日常的にAさんをつけねらい、Aさんの住居や、周辺を密かにカギ回っていたということだ。

スパイに仕立てる警察の常套手段
 そして、昨年9月、ついに、この公安刑事は、直接にAさんへの接触を行ってきた。
 そのときのやり方は、Aさんに仕事を依頼するというものであった。Aさんは、土建の仕事に従事していたが、会社を経営していた訳でもなく、また、「親方」でもない。ところが、突然、以前いっしょに仕事をしていた元同僚から、「おまえに仕事の依頼が来ている」と言われた。いぶかしく思って、その依頼主が誰なのかたずねたところ、これが、何と、その前に友人のところに行っていた公安の警察官だったのである。
 このやり方は、警察がスパイをつくろうとする場合に使う常套手段である。こうして、不安定就労の状態にあるAさんの窮状を救うふりをして、じつは、切っても切れない関係をつくり、Aさんをがんじがらめにして、Aさんを全国連組織の内部情報をつかむスパイに仕立てようとしたのだ。
 そして、このスパイの育成ということが、部落解放運動や労働運動をつぶそうとする警察の常套手段なのである。水平社の運動においては、全国水平社の委員長にまでその手口がおよび、水平社が壊滅の危機に陥ったことは、あまりにも有名な出来事であった。これを断ち切ること、これとたたかうことは、全国連の組織建設にとって、絶対的な原則なのだ。

奈良県警は卑劣な行為を謝罪せよ!
 Aさんは、公安警察が友人の前に現れたことを聞いたときに、引き継ぎまで行われて自分にたいする特別体制がつくられていることに驚き、怒りを感じて、全国連の支部に相談していた。支部との討論によって、Aさんは、「この公安のやり方は、Aさんを警察のスパイに仕立てようとする攻撃だ」ということをあらためて自覚し、部落民をスパイにして部落解放運動をつぶそうと企む権力に怒りを燃やして、これを断ち切るために、支部と力をあわせて反撃しようとしていた。この矢先に、仕事の依頼が来たのであった。
 そもそも、こんな行為が黙って見過ごされ、うまく行くなどと思ったら大間違いだ。Aさんも、Aさんの友人も、家族も、みんな、この卑劣な行為を変だと思い、放っておけないと感じ、そして、許せないと思っていたのだ。狭山事件で石川一雄さんをでっち上げた、あの卑劣なやり方と同じことが、自分たちの目の前で行われようとしていたことに怒りを感じて、みんなでAさんを守ろうとしてきたのである。
 部落民にとって、全国連はかけがえのない組織である。全国連に加盟してたたかうことは、部落差別によって引き裂かれた人間としての自己の尊厳を取り戻すことでもある。この組織的団結を、その内部にスパイをつくることによって引き裂き、つぶしてしまおうとする警察の行為は、それじしんが許し難い部落差別犯罪である。
 全国連は、断じて許さない。奈良県警は、これらの卑劣なスパイ育成の行為を認め、全面的に謝罪せよ。スパイ育成を職業とする、きわめて非人間的な組織である公安警察を解体・一掃せよ。

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