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理論闘争のさしせまる課題
全国連は差別糾弾闘争をどうたたかうか

部落差別=身分的差別の撤廃へ
 他に置き換えられない唯一の闘争形態


はじめに

 差別糾弾闘争の復権ーそれは、13回大会の最大の総括点であり、また、まちがいなく第14回大会の最大の中身です。
 この1年間、全国連は一方で実践において、杉並「さんじゅ阿佐ヶ谷」差別事件、茨城の対県交渉、寝屋川弾圧とのたたかい、神戸市「特殊地区」差別記載事件など、差別糾弾闘争を猛然と開始しました。杉並「さんじゅ」糾弾闘争では、施設長の謝罪と中田書記長を講師に研修会ももたれるという勝利を勝ち取っています。
 他方で、部落解放理論センターにおいては、水平運動史研究を積み重ね、差別糾弾闘争の理論的復権にとりくんできました。
 戦争の時代、差別大洪水と生活破壊の時代にあって、差別糾弾闘争の荒々しい復権を基軸にした全国連の三大闘争の実践こそが、部落解放運動の唯一のたたかい方になろうとしています。また、全国連に心を寄せつつも「全国連と本部派はどこが違うのか」「目的は一緒なら、一緒にやったらどうなのか」という人も多くいます。全国連ならではの差別糾弾闘争の復権は、まさに、実践に迫られた緊急のテーマです。
 「全国連は差別糾弾闘争をいかにたたかうのか」は、今日最大の実践的理論的テーマです。理論センターの研究作業のなかからそのたたき台として提案します。14回大会にむけて、熱烈な討論を訴えます。

差別糾弾闘争の意義はなにか?

 差別糾弾闘争の理論的対象領域は、次の点があげられます。
 @差別糾弾闘争の意義と目的〜何のために差別糾弾闘争を闘うのか。 A糾弾闘争は部落解放闘争のなかでどのような位置と役割をもった闘いなのか。 B差別糾弾闘争の戦術とはどのようなものか。 Cなぜ労働者階級人民との共同闘争として差別糾弾闘争は闘われなくてはならないのか。
 この4点が水平社の差別糾弾闘争をとらえていく場合の基本的視点です。これは、全国連の差別糾弾闘争の理論的=実践的方針をつくっていくうえでの土台となり、基準ともなるものです。つまり、全国連はいまなぜ差別糾弾闘争に取り組まなくてはならないのか、どうすれば差別糾弾闘争に勝利していくことができるのか、を水平社の総括のなかから導きだすのです。
 今回は@の糾弾闘争の意義と目的に的を絞って提起します。

解放運動の基軸

 差別糾弾闘争は部落差別=身分的差別の撤廃のための基本的闘争形態です。部落差別の撤廃、廃絶のために他に置き換えることのできない唯一の闘争形態です。
 ところで、水平社運動からこんにちにいたるまで糾弾闘争がこのように位置付けられたことはありません。全国水平社青年同盟は糾弾闘争清算論、解同本部派は要求闘争の手段論、全解連は国民融和の妨害物論というものであり、糾弾闘争が正しく位置づけられたことはありません。全国連が初めてです。
 このようなものとして、差別糾弾闘争は部落解放運動の基軸であり、推進軸でなくてはならないのです。列車にたとえれば、差別糾弾闘争は機関車であり、要求闘争、共同闘争は客車として、それぞれの位置と役割があります。
 この差別糾弾闘争が対象とするものは、部落差別=身分的差別のすべてのあらわれ、言い換えれば部落民に社会的、政治的、経済的、イデオロギー的に身分差別によって不利益を強制するすべての現象にはじまって、身分差別の根源をなす帝国主義の体制そのもの、あるいは身分差別の根源である帝国主義の階級支配にいたるまでのすべてです。
 したがって差別糾弾闘争の主体は、部落差別=身分的差別に苦しむ300万部落大衆自身であることはいうまでもありません。同時に、 部落差別が帝国主義の階級支配の不可分の一環をなし、階級支配にその根源があることから、階級支配と身分差別によって階級の分断を強制される労働者階級もまた糾弾闘争の主体です。
 解同本部派がいうような「糾弾権は解同だけ、あるいは部落民だけにしかない」というのはとんでもない間違いです。
 300万部落大衆と労働者階級、この両者は差別糾弾闘争の両軸をなし、この両者の闘いがひとつになることで、帝国主義の階級分断を打ち破りながら差別糾弾闘争を貫いていくことができるのです。

部落大衆にとってたたかう目的は?

 差別糾弾闘争の目的という場合、大きくは戦略的レベルのそれと、戦術的レベルのそれとふたつに分けて検討されなくてはなりません。
 まず糾弾闘争の戦略的目標とは、いうまでもなく部落差別=身分的差別の完全な解消であり、部落差別の根源をなす帝国主義の階級支配の廃絶です。
 差別糾弾闘争のこの戦略的目標を実現していくために、差別糾弾闘争の戦略的目標にそって戦術的目標が明確にされなくてはなりません。
 まず、300万部落大衆にとっての糾弾闘争の目的を明らかにします。
 第一に、差別糾弾闘争をとおして部落差別の現実を身分的差別として自覚することです。部落差別を感じとり、部落差別に怒るということです。当たり前のことのようですが、今、部落大衆のおかれている現状、とくに部落の青年の現実をみたとき決して前提にできません。しかし、ここが一番肝心なことです。
 第二に、部落差別の身分差別的自覚をとおして部落差別撤廃の主体が他ならぬ部落民自身であり、部落民の歴史的事業として部落差別の廃絶を闘い取らなくてはならないという使命の自覚です。
 第三に、差別糾弾闘争をとおして部落民が全国的・地域的に団結を強め、部落民の単一の身分的闘争組織をつくりあげる自覚です。
 第四に、差別糾弾闘争の対象は部落差別の現象にはじまって部落差別の根源をなす帝国主義の階級支配の全体であるという階級的認識をつかみとることです。とくに差別糾弾闘争においては、帝国主義の階級支配と身分的差別の根っ子をなす警察、検察、裁判所、官僚機構などと、資本家階級を対象とした闘争を重視し、差別糾弾闘争を一個の政治闘争としてたたかう観点を明確にさせることです。これは、労働者階級人民による部落差別とたたかうときの教育的たたかい、労働者の獲得をめざしたたたかいと、はっきりと区別します。
 第五に、差別糾弾闘争は部落民の日常的な経済的要求(要求闘争)と結びつけられ、相互が強められ、励ましあう関係へと発展させ、地域における大衆的支配権の確立へと発展させていかなくてはなりません。
 差別糾弾闘争の戦術的目的とはこのようなものだと思います。他にも指摘されることはあると思いますが、基本的には以上の五点です。これらの視点は、水平社運動のそれぞれの発展段階における差別糾弾闘争の闘争的総括のなかから導きだされたものです。

労働者階級による糾弾闘争とは?

 次に、労働者階級にとって差別糾弾闘争とは、第一に、部落差別の現実を帝国主義の階級支配の一環として、つまり労働者階級自らへの搾取・収奪と階級分断という両面からとらえ返し、部落差別への加担が部落民への苦しみの強制であるだけでなく、労働者階級自身の不利益であり、みずからの首をしめる行為であることを自覚することです。より積極的に言えば労働者階級がみずからを階級として解放していくうえにおいて、部落差別との闘いが欠くことのできない事業であり、自らが主人公となって社会をつくる力を獲得する根幹にかかわる問題であるとつかみとることです。「部落の解放なくして労働者の解放なし」です。
 第二に、労働者階級の解放こそが、差別に苦しむすべての被差別民衆の全人民的解放のただひとつの道であることの歴史的使命を自覚し、階級的労働運動の発展の大道を切り開くことです。
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